
こんにちは。今回は顎が鳴ることで不安に感じている方、必読のブログです(笑)
食事の時、食べ物を咀嚼(そしゃく)すると耳の付け根あたりから「カクカク」「ポキポキ」と音が鳴ったり、大きく口を開けた時に「ジャリジャリ」と不快な音がしたりすることはありませんか?
「痛みはないけれど、このまま放っておいて大丈夫なのかな…」と不安に思われている方も多いと思います。
結論から言うと、咀嚼時に顎が鳴る症状の多くは「顎関節症(がくかんせつしょう)」という病気のサイン(初期症状)です。今回は、顎が鳴る医学的なメカニズム、考えられる原因、自分でできるセルフチェック法、そして歯科医院での治療法について詳しくおはなしします。最後までお付き合いいただければください。
目次
顎が鳴る正体は「顎関節症(がくかんせつしょう)」
顎の関節は、耳の穴の前あたりにあります。
ここは体の中で最も複雑な動きをする関節の一つで、回転運動だけでなく、前後にスライドする動きも同時に行っています。
この「顎の骨(下顎頭)」と「頭の骨(下顎窩)」の間には、クッションの役割を果たす「関節円板(かんせつえんばん)」という軟骨の座布団のような組織があります。
では、音が鳴るメカニズム(なぜカクカク言うのか?)はなにか?
多くの原因は、このクッション(関節円板)が本来の位置から「前方にズレてしまうこと」にあります。
- カクカク・ポキポキ(クリック音):
口を開け閉めするときに、ズレていたクッションが、あごの骨の頭にパチンと引っかかったり、元の位置に戻ったりする時に鳴る音です - ジャリジャリ・ミシミシ(クレピタス音):
症状がさらに進行し、クッションが完全に変形するか、あるいは骨同士が直接擦れ合ってしまっている時に鳴る音です。これは変形性顎関節症の疑いがあります。
顎関節症を引き起こす「日常の5つの悪習慣」
顎関節症は、何か一つの原因だけで起こるわけではありません。
遺伝的な骨の形に加え、以下のような「日常生活における小さな負担(悪習慣)」が積み重なり、顎の許容量(キャパシティ)を超えたときに発症します。
① 歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
寝ている間の「歯ぎしり」や、日中無意識に上下の歯をギュッと噛み締める「食いしばり」は、顎の関節に自分の体重以上の凄まじい負荷をかけ続けます。これがクッションをズレれさせる最大の原因になります。
② 片側だけで噛む癖(偏側咀嚼)
虫歯治療を放置している、あるいは噛み合わせが悪いために、いつも右側(または左側)だけで食べ物を噛む癖があると、片方の顎の関節だけに過度な負担が集中します。
③ 姿勢の悪さ(頬杖、うつ伏せ寝、スマホの長時間使用)
- 頬杖(ほおづえ): 手で顎を押し上げる力が毎日加わるため、顎の関節が簡単に歪んでしまいます。
- うつ伏せ寝・横向き寝: 枕や布団によって、一晩中あごに側方からの圧力がかかります。
- 猫背・スマホ首: 頭が前に出ると、顎を動かす筋肉が常に緊張した状態になります。
④ ストレスなどの精神的要因
仕事や人間関係のストレス、不安感などは、無意識のうちに筋肉を緊張させ、夜間の歯ぎしりや日中の食いしばりを悪化させます。
⑤ 噛み合わせの不具合
抜けた歯をそのままにしている、あるいは新しく入れた被せ物の噛み合わせが高すぎる・低すぎるなど、お口全体のバランスが崩れると顎の動きに無理が生じます。
危険度を判定!顎関節症の「セルフチェックリスト」
ただ音が鳴る(クリック音)だけで痛みもなく口もスムーズに開く場合は、
すぐに治療が必要ないケースもあります。
しかし、以下の症状に当てはまる場合は注意が必要です。
あなたの顎の状態がどの段階にあるか、チェックしてみましょう。
□ 口を大きく開けたとき、縦に指が3本(人差し指・中指・薬指)入らない。
□ 咀嚼するとき、顎の関節だけでなく、こめかみや頬の筋肉が痛む・だるい。
□ 朝起きたとき、顎の周りがこわばっていて、口が開けにくい。
□ 音が「カクカク」から「ジャリジャリ」「ゴリゴリ」に変わってきた。
□ 顎だけでなく、原因不明の頭痛、肩こり、めまい、耳鳴りが続いている。
※受診の目安として、、、
音が鳴るだけでなく、上記のチェックに1つでも当てはまる場合、あるいは「だんだん口が開かなくなってきた(開口障害)」「痛くて食事が苦痛」という場合は、
放置すると重症化するリスクがあるため、早めに歯科医院を受診してください。
歯科医院で行う顎関節症の治療法
歯科医院での治療は、基本的にメスを入れない「保存的療法(身体に負担の少ない治療)」からスタートします。
① スプリント療法(マウスピース治療)
夜間就寝時に、歯型に合わせて作ったプラスチック製の「スプリント(マウスピース)」を装着します。
- 効果: 歯ぎしりや食いしばりによる顎関節への強い圧力を分散し、筋肉の緊張を和らげ、クッション(関節円板)への負担を軽減します。多くの場合、ファーストチョイスとして行われます(保険適用です)。
② 薬物療法
顎の筋肉が痛んで硬直している場合や、関節の中に炎症が起きて痛む場合は、消炎鎮痛剤(痛み止め)や、筋肉をほぐすお薬(筋弛緩剤)を一時的に処方することがあります。
③ 理学療法(マッサージ・温熱療法)
硬くなってしまった頬(咬筋)やこめかみ(側頭筋)の筋肉をほぐすマッサージ指導や、関節を温めて血流を良くする温熱療法、顎を動かすストレッチ(開口訓練)などを行います。
④ 噛み合わせの治療(原因の除去)
顎の痛みが落ち着いた段階で、顎関節症の引き金となっている「噛み合わせの不具合」を治療します。合わない被せ物の調整や、抜けたままの場所へのインプラント・入れ歯の作製、場合によっては歯列矯正をご提案します。
※歯科医院によってはボトックス治療やより精密な検査と加療を大学病院に依頼するなど治療方法は異なります
自宅でできる!顎への負担を減らすホームケア
顎関節症の改善には、日常生活でのセルフケアが欠かせません。以下のポイントを今日から意識してみてください。
「歯列接触癖(TCH)」を意識してなくす
人間はリラックスしている時、上下の歯の間に1〜2ミリの隙間があります。もし日中、歯が触れ合っていることに気づいたら、すぐに力を抜いて離す習慣をつけましょう(デスクやPCに「歯を離す」と付箋を貼るのが効果的です)
硬い食べ物を一時的に控える
顎が鳴る・痛む時期は、フランスパン、イカ、おせんべい、ナッツ類などの硬いものは避け、顎を休ませてください
大きなあくび、大口を開けるのを避ける
関節が外れたり、クッションがさらにズレたりする原因になるため、
あくびをするときは顎の下に手を添えるなどしてセーブしてください
まとめ
顎のSOSサインを見逃さないでください!!
咀嚼したときに顎が鳴る音は、顎の関節からの「これ以上負担をかけないで!」というSOSサインです。
痛みのない初期段階であれば、マウスピース治療や生活習慣の改善だけで、比較的スムーズに症状を落ち着かせることができます。
しかし、「音が鳴るだけだから」と放置して関節の変形が進むと、ある日突然、口が全く開かなくなる「クローズド・ロック」という状態になり、治療に長い期間がかかってしまうこともあります。
「最近、顎の音が気になるな」と思ったら、手遅れになる前に、まずは歯科医院を受診されてみてはいかがでしょう。
医療法人社団天白会有明ガーデン歯科クリニックは、
お口の中の些細なトラブルやお悩み事、検診など、お気軽にご相談できる歯科医院です。
どんなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。
土日祝も20時まで診療しており、駐車場も完備しています。
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このブログの監修者

医療法人社団天白会
有明ガーデン歯科クリニック
院長 荻野佑太

理事長 歯学博士 山田健太郎 日本口腔インプラント学会 専門医






