今、虫歯がないからといって安心してはいけません。
「痛くなったら歯医者に行く」では遅すぎます。定期検診で歯や歯茎の状態をチェックし、生涯、健康な歯を保ち、素敵な笑顔で過ごしましょう。
地域のみなさまの健康を守るため、私たちは予防歯科に力を入れています。一人ひとりの患者様にあわせたメンテナンスを行い、健康的な口腔内環境を保ちます。

予防歯科 3つのポイント

あきらめていた歯を残せる!

予防歯科で定期的に検診を受けている方のほとんどは、80歳以上でも20本以上の歯を残しています。

一般的に加齢とともに歯の数が減っていく傾向にありますが、定期的に予防歯科を受診している人は虫歯や歯周病を予防して、歯の健康を長く保つことができます。その結果、自分の歯の1本でも多く残すことができるのです。

クルマや機械などと同じように、歯やお口も定期的に点検し、不具合があれば早めに対応することが大切です。定期検診で歯や口の中のメンテナンスをしっかり行っている人は、60歳以上でも20本以上の歯を残すことができます。

医療費を抑えられる!

歯が健康な人は身体も健康です。歯の定期検診を続けている人は、医療費も抑えることができます。

定期的に予防歯科を受診している人は、たとえ虫歯や歯周病などにかかっても早期に発見し、早期に治療することができます。 早期発見・早期治療ができれば、歯を大きく削るような痛みをともなう治療を受けることもありません。また、治療費や通院の負担も軽減できます。

近年、歯の健康は、全身の健康とも密接な関係があることが分かってきました。歯が悪くなれば、固い食べ物が食べられなくなるなどして食事が偏り、歯並びや噛み合わせも乱れていきます。そして、偏った食事は糖尿病や肩こり、その他の生活習慣病の原因にもなります。

トヨタ関連健保組合などの調査によると、定期的に予防歯科を受診している人は、すべての病気にかかる年間の総医療費が低くなる傾向にあるそうです。65歳での医療費の総額平均が35万円以上だったのに対し、定期的に受診している人は20万円以下と、大きな差が出ました。

子どもに生涯健康な歯をプレゼント!

子どもの健康を守るのも予防歯科です。生涯、健康を維持できる口腔内環境を子どものころからつくっていきましょう。

幼い頃から、予防歯科を受診している子は、大人になっても健康な歯を保つことができます。幼いうちにフッ素塗布などの予防処置を受けることで、歯の抵抗力を高め、虫歯に強い歯にすることができます。

歯の抵抗力が強いと、多少、虫歯菌が増えてもすぐに歯を修復できるのに対し、抵抗力がないとすぐに虫歯が進行してしまいます。

幼児の間は、口の中に細菌が定着しやすいので、できるだけ口の中の細菌を減らすことが大切です。また、幼児期から歯並びや噛み合わせをチェックすることも大切で、歯並びが乱れる要因があれば、早めに対処して、生涯にわたって健康な歯を維持しやすい口内環境を整える必要があります。

予防歯科とは?

さまざまなニーズに対応

日本人の多くは「歯が痛くなったら歯医者にかかる」と考えているといわれます。みなさまはどうでしょうか。

しかし、その考え方は誤りで、虫歯になる前に歯科クリニックに行かなければなりません。なぜなら、虫歯の治療で削られた歯は二度と元の状態には戻らないからです。

たとえ、失った歯の代わりにインプラントを入れても、自分の歯にはとうてい及びません。どんなに腕の立つ歯科医の治療を受けても、自分の歯が100%元通りになることはなく、せいぜい8割から9割くらいしか回復させられません。その8,9割の状態も年を重ねるごとに機能が低下していきます。

ですから、大切なのは「虫歯になってから歯医者にかかる」のではなく、「虫歯になる前に歯医者のチェックを受ける」ことなのです。そして、残念ながら虫歯や歯周病になってしまったら、治療によって8、9割回復した状態を、定期検診とメンテナンスによって維持していくことが大切です。

そのためにあるのが予防歯科なのです。予防歯科で定期検診を受けることで、虫歯や歯周病を予防できますし、もしトラブルが見つかっても早めに対応することができます。

歯のケアを怠るリスクとは

歯のケアを怠っていると、次のようなリスクが高まります。

  • 歯周病

    歯周病は、治療せずに放置していると、悪化して歯を支えている顎の骨まで溶けてしまう恐ろしい病気です。特に、妊娠中や更年期の女性はホルモンバランスが崩れることで、歯周病を発症しやすいので注意が必要です。

  • 歯周病の主な特徴

    歯茎から出血する、歯がグラグラする、歯茎が赤く腫れているといった症状のある方は歯周病の疑いがあります。また、歯が伸びたように感じる、冷たい水などで歯がしみるという方も注意が必要です。また、歯周病が進行すると、口臭が強くなり、起きたときに口の中がネバネバする感じがします。また、歯石がたまっている人も要注意。これらの症状のうち、2つ以上思い当たる方は、すぐに歯科クリニックを受診しましょう

  • 虫歯

    虫歯になると、細菌が歯を溶かしながら内部に進んでいきます。最後は歯の根元の神経に達し、汚染された神経を取り除かなくてはならなくなります。神経を失った歯はもろくなり、歯根の先端に膿が溜まる根尖病巣という病気になると、歯を残すことができなくなります。また、治療してから年月が経った銀歯は、中で虫歯になっている可能性があるので注意が必要です

  • 誤嚥性肺炎

    最近は誤嚥性肺炎で亡くなる高齢者が増えてきました。食事や唾液を飲み込む際、気管支に細菌が入ってしまうことで生じる肺炎です。飲み込む力が衰えると発症しやすくなります。特に高齢者は口腔内の細菌が増える一方、身体の抵抗力も衰えるので注意が必要です。
    口の中の細菌の量を少なくすることで、ある程度発症を抑えることができます。

  • 口腔がん

    口の中にできるがん、口腔癌の5年生存率は60~80%とされます。初期のうちに発見できれば、比較的簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残りません。歯科クリニックで定期検診を受け、舌や歯肉、粘膜などのチェックをしてもらうと、予防や早期発見につながります。

当院がすすめる歯の定期検診

  • 虫歯・歯周病のチェック
  • ブラッシング指導
  • 歯のクリーニング
  • 口腔内の異常のチェック
  • 噛み合わせ診査

歯のケアを怠るリスクとは

定期検診を受ける間隔は、通常の場合、4カ月に1回をおすすめしています。患者様の歯や歯茎などの状態によっては、1カ月に1回の定期検診を勧めることもあります。

  • 特に問題のない一般の患者様:4カ月に1回
  • 完全に治癒していない個所がある患者様:1カ月に1回
  • 虫歯や歯周病の治療で歯や歯茎に大きなダメージを受けた患者様:2カ月に1回

定期検診に要する時間は30~60分で、費用は2,500~4,000円(保険診療の場合)です。

定期的にバイオフィルムの除去を!

バイオフィルムとは、口の中にできる細菌の塊で、膜状になって歯の表面に付着します。この中には、虫歯や歯周病を引き起こす細菌が1,000億以上も潜んでいます。

虫歯や歯周病を予防するには、バイオフィルムをしっかり取り除く必要がありますが、歯の表面にこびり付いているため、歯科クリニックで使う専用機器でなければ、完全に除去することはできません。歯磨きでは取れないのです。

しかも、バイオフィルムは3、4カ月もすると細菌が集まって再び形成されてしまいます。ですから、4カ月に1度はメンテナンスを受けて、バイオフィルムを取り除くことが必要なのです。