歯ぎしりや食いしばりの影響は?

皆さんは、朝起きたときに「なんだか顎が重い」「口をあけにくい」「肩こりがひどい」と感じたことはありませんか?
あるいは、日中でも知らないうちに歯を食いしばっていることはないでしょうか。

実は、これらの症状は “歯ぎしり(ブラキシズム)” によって起きている可能性があります。
歯ぎしりは睡眠中に無意識に行われるため、自覚しにくく、家族に指摘されて初めて気づく患者さんも少なくありません。

「ただの癖だから放っておいて大丈夫」と思われがちですが、歯ぎしりは 歯・顎関節・全身 に大きな悪影響を及ぼすことがあります。
今回のブログでは、歯ぎしりが起こる背景、放置すると何が起きるのか、そして今日からできる治療法まで詳しくお話しますので参考にしてみてください。

そもそも歯ぎしりとは?寝ている間の負荷は“100kg超え”のことも

食事の際にかかる噛む力は、通常は数kg〜30kgほどと言われています。
しかし睡眠中の歯ぎしりは脳の制御が効きにくくなるため、50〜100kg以上の強い力が加わることがあります。
しかもこの状態が、平均8時間睡眠のうち 15〜30分間 も持続するとされています。

この強大な負荷が長期間続くと、当然ながら歯や顎の筋肉・関節を大きく傷めます。

歯ぎしりで起こる主なトラブル

歯のすり減り・ヒビ → 知覚過敏・虫歯のリスク増大

強い摩耗によってエナメル質が削れ、内部の象牙質が露出すると冷たい物がしみたり、痛みが出やすくなります。
さらに噛み合わせが変わる原因にもなります。

詰め物・被せ物の破損

歯ぎしりによる力で、

詰め物が外れる

被せ物が欠ける

セラミックが割れる
などのトラブルが起こることも珍しくありません。

歯根破折(歯の根が割れる)

特に神経を取った歯は脆くなっているため、強い歯ぎしりが続くと歯の根が割れてしまい、抜歯が必要になる場合もあります。

顎の痛み・頭痛・肩こり

顎の筋肉が常に緊張した状態になり、「顎のコリ」が生じます。
実は肩にコリができるのと同じで、顎にも“筋肉のコリ”が存在します。

このほかにも、起床時の疲労感や眠りの質の低下につながることもあります。

歯ぎしりを引き起こす原因は?

歯ぎしりの原因は1つではありません。代表的なものは以下です。

ストレスや緊張

噛み合わせの問題

生活習慣(姿勢・スマホによる食いしばり)

睡眠の質の低下

遺伝的要素

特にストレスは影響が大きく、「ストレスが溜まると歯ぎしりが悪化する」という研究報告も多数あります。

歯ぎしりの主な治療法

ここからは、歯ぎしりの治療法を 歯科臨床の観点から詳しくお話しします。

マウスピース(ナイトガード)療法

最も一般的で効果が高い治療法です。

睡眠時に専用のマウスピースを装着し、

歯と歯の接触を防ぐ

力を適切に分散させる

顎関節や筋肉の負担を減らす
といった働きがあります。

マウスピースを使い始めると、
「起きた時の顎のだるさが軽くなった」
「割れた歯が続いていたが、治まった」
と実感する方がとても多くいらっしゃいます。

顎の筋肉をほぐすストレッチ・マッサージ

顎の筋肉(咬筋・側頭筋)は、ストレッチや簡易マッサージで柔らかくできます。
筋肉の緊張を減らすことで、痛みの緩和や食いしばりクセの軽減につながります。

例:咬筋ほぐし
指で頬の奥の硬い部分(咬筋)をゆっくり押し、10秒キープ×数回。

日中の食いしばり(TCH)対策

TCH(歯列接触癖)は、日中に歯を接触させてしまう癖です。
本来、上下の歯は会話・食事の時以外は「離れている」のが正常です。

対策ポイント

「歯を離す・唇を閉じる・舌は上顎につける」と意識する

PCやスマホに“歯を離す”とメモを貼っておく

姿勢の改善(猫背は悪化要因)

行動療法(自己暗示・就寝前のイメージトレーニング)

就寝前に
「歯ぎしりをしない」
「歯を離してリラックス」
と何度か繰り返し唱えることで、歯ぎしりが改善したという報告があります。

論文では “約40%程度軽減する可能性” があるとされており、簡単で副作用のない方法です。

ストレスコントロール

心理的ストレスが強い患者さんには、

睡眠習慣の改善

リラクゼーション

適度な運動

カウンセリング
なども効果的です。

ボツリヌス療法(ボトックス注射)

咬筋が非常に発達している場合や症状が重い場合には、咬筋にボツリヌス毒素を注射して筋肉の働きを抑える方法があります。

筋肉の過緊張を緩和

歯への負荷軽減

小顔効果も副次的に出ることがある

などのメリットがあります。
ただし効果は数ヶ月なので、継続が必要です。

まとめ:歯ぎしりに気づいたら、早めの対策がカギ

歯ぎしりは、気づいた時点ですでに歯がすり減っていたり、詰め物が壊れていたりするケースも珍しくありません。
そのため 早期にマウスピースを作り、原因に合わせた治療 を行うことが重要です。

「歯ぎしりしているか分からない」という方でも、歯のすり減り方や頬の内側の噛み跡、筋肉の張りなどからリスクを評価できます。

ぜひお気軽に歯科医院でご相談していただくと良いでしょう。
あなたの歯と顎を守るために、今日からできる治療法はたくさんあります。

 

医療法人社団天白会有明ガーデン歯科クリニックは、
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このブログの監修者

医療法人社団天白会

有明ガーデン歯科クリニック

院長 荻野佑太

理事長 歯学博士 山田健太郎 日本口腔インプラント学会 専門医