気圧の変化で歯が痛む?その原因と対策

こんにちは。

最近、「台風が近づくと歯が痛む気がする」「飛行機に乗ると奥歯がズキズキする」といった声を耳にすることが増えてきました。実はこれ、気のせいではありません。気圧の変化が歯の痛みに影響することは、医学的にも報告されている現象なのです。

今回は、気圧と歯の痛みの関係について、詳しくお話したいと思います。

痛みのメカニズムから予防法まで、ぜひ参考にしてください。

🌀 気圧性歯痛とは?

「気圧性歯痛(barodontalgia)」とは、気圧の変化によって引き起こされる歯の痛みのことを指します。特に、飛行機の離着陸時や登山、台風の接近など、急激な気圧の低下が起こる場面で症状が現れやすくなります。

この現象は、健康な歯よりも、虫歯や治療中の歯、詰め物・被せ物がある歯に起こりやすい傾向があります。

🧠 なぜ気圧で歯が痛むのか?メカニズムを解説

歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管が存在します。気圧が下がると、歯の中に閉じ込められた空気やガスが膨張し、歯髄を圧迫することで痛みが生じます。

特に以下のような状態の歯は、気圧変化に敏感です。

  • 虫歯が進行している歯(歯髄が露出している可能性あり)
  • 根管治療中の歯(神経が刺激されやすい)
  • 詰め物や被せ物に隙間がある歯(空気が入りやすい)
  • 歯根に膿が溜まっている歯(膿が膨張して圧迫)

これらの歯は、気圧の変化によって内部の圧力が変化し、痛みを引き起こすリスクが高まります。

✈️ 飛行機や登山での歯痛にも注意

航空性歯痛とも呼ばれるこの症状は、飛行機の離着陸時に特に多く報告されています。高度が上がるにつれて気圧が急激に低下するため、歯の中の空気が膨張し、痛みを感じることがあります。

登山やスキューバダイビングなど、気圧が大きく変化するアクティビティでも同様の症状が起こる可能性があります。

🦷 痛みが出やすい歯の特徴

歯の状態 痛みが出やすい理由
虫歯 歯髄が露出している可能性があり、刺激に敏感
根管治療中 神経が除去されているが、空洞が気圧変化に反応しやすい
詰め物・被せ物あり 密閉性が不十分だと空気が膨張しやすい
歯根に膿がある 膿が気圧で膨張し、神経を圧迫する

🛡️ 気圧性歯痛の予防と対策

では、気圧による歯の痛みを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?以下の対策を参考にしてください。

✅ 定期的な歯科検診

虫歯や治療途中の歯を放置せず、早めに治療を完了させることが重要です。仮詰めや仮蓋のまま長期間放置すると、気圧変化に弱くなります。

✅ 飛行機搭乗前の準備

過去に航空性歯痛を経験した方は、搭乗前に鎮痛剤を服用することで痛みを軽減できる場合があります。歯科医師に相談しておくと安心です。

✅ ストレス管理

気圧の変化による体調不良やストレスが、痛みを増幅させることもあります。リラックスできる環境づくりも大切です。

✅ 痛みが出たら早めに受診

気圧性歯痛は、放置すると慢性化することもあります。痛みが続く場合は、早めに歯科医院で診てもらいましょう。

📘 まとめ

気圧の変化による歯の痛みは、決して珍しいものではありません。特に虫歯や治療中の歯がある場合は、気圧の変化に敏感になりやすく、痛みを感じることがあります。

「なんとなく歯が痛むけど、原因がわからない…」という方は、気圧の変化が関係している可能性も。定期的な検診と早めの治療が、痛みの予防につながります。

気圧性歯痛は、正しい知識と対策で防ぐことができます。台風の季節や旅行前には、ぜひ歯の状態をチェックしてみてくださいね。

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このブログの監修者

医療法人社団天白会

有明ガーデン歯科クリニック

院長 歯学博士 石坂千春

理事長 歯学博士 山田健太郎 日本口腔インプラント学会 専門医

ホワイトニング後に色が戻ってしまうのはなぜ?

前回のブログで、歯の着色についてお話しました。
その中で、ホワイトニングについても少しだけ触れましたが、今回はそのホワイトニングについて詳しくお話したいと思います。

「ホワイトニングしたのに、また黄ばんできた気がする…」
「せっかく白くなったのに、持続しないのはなぜ?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。実は、ホワイトニング後に白さが失われる“後戻り”は、誰にでも起こり得る自然な現象です。

ホワイトニング後の色戻りの原因とその対策、さらにオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いについて、そして白さを長持ちさせるためのポイントを詳しく説明します。ぜひ参考にしてください。

 

🌀 ホワイトニング後に後戻りする理由とは?

ホワイトニングは、歯の表面や内部に沈着した色素を分解・漂白することで白く見せる処置ですが、その効果は永久ではありません。後戻りの主な原因は以下の通りです。

着色性飲食物の摂取

コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレートなどの色素が強い食品は、歯に再び色素を沈着させます。
特にホワイトニング直後は歯の表面が一時的に脱水・脱灰されており、着色しやすい状態です。これは「ペリクル(唾液由来の保護膜)」が一時的に失われているためで、再着色のリスクが高まります。

再石灰化による色調変化

ホワイトニング後、唾液中のカルシウムやリン酸が歯に再吸収されることで、元の透明度や色調に戻ることがあります。
この再石灰化は歯の健康には良いことですが、白さの印象には影響を与える可能性があります。

加齢による象牙質の変化

年齢とともに象牙質が厚くなり、黄色味が増すことで、歯の白さが失われていきます。
また、エナメル質が薄くなることで、象牙質の色が透けて見えやすくなることも後戻りの一因です。

喫煙・口腔環境の影響

タバコのヤニや唾液量の減少は、着色の原因となり、白さの持続を妨げます。
口腔内のpHバランスが崩れると、着色物質が歯に定着しやすくなるため、喫煙者は特に注意が必要です。

水分の戻りによる色調変化

ホワイトニング直後の歯は脱水状態にあり、白く見えますが、時間とともに水分が戻ることで色味が落ち着き、やや黄ばんで見えることがあります。
これは一時的な変化であり、施術直後の“白さ”がピークであることを理解しておくと安心です。

 

🛡️ 後戻りを防ぐための対策

ホワイトニング後の白さを長持ちさせるためには、日常生活の中での工夫が重要です。

対策 内容
着色性飲食物を控える 特にホワイトニング直後24〜48時間は避ける。ストロー使用も有効。
定期的なクリーニング 歯科医院でのプロフェッショナルケアでステイン除去。
ホワイトニング用歯磨き粉 パパイン酵素やバイオアパタイト配合の製品が効果的。
タッチアップホワイトニング 半年〜1年ごとの再施術で白さを維持。
禁煙・口腔衛生の徹底 着色因子の除去と唾液環境の改善により、白さを保ちやすく。
食後のうがい・歯磨き 着色物質が歯に定着する前に除去する習慣を。

 

🦷 オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違い

ホワイトニングには主に2つの方法があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。

項目 オフィスホワイトニング ホームホワイトニング
実施場所 歯科医院 自宅
使用薬剤 高濃度過酸化水素 低濃度過酸化尿素
効果の出方 即効性あり(1回で実感) 徐々に白くなる(2〜4週間)
持続期間 約2〜3ヶ月 約6ヶ月〜1年
知覚過敏のリスク やや高め 比較的低め
白くなる範囲 表面中心 内部までじっくり浸透
コスト やや高め 継続的に行えばコスパ良好

オフィスホワイトニングの特徴

歯科医院で行うホワイトニングで、特殊なライトを使って薬剤の効果を促進します。即効性が高く、短期間で白さを実感できますが、後戻りしやすい傾向があります。
結婚式や面接など、短期的に白さを求める方におすすめです。

ホームホワイトニングの特徴

歯科医院で作製したマウスピースに薬剤を入れて、自宅でじっくり行う方法。効果が出るまで時間はかかりますが、歯の内部まで漂白できるため、後戻りしにくく、持続性に優れています。
忙しい方や、自然な白さを求める方に適しています。

デュアルホワイトニング(併用)※当院ではパーフェクトコースと言います

オフィスとホームを組み合わせることで、即効性と持続性の両方を得られる理想的な方法です。
初回はオフィスで白さを出し、その後ホームで維持することで、色戻りを最小限に抑えることができます。

💡 どちらを選ぶべき?

  • 短期間で白くしたい方 → オフィスホワイトニングがおすすめ
  • 自然な白さを長く保ちたい方 → ホームホワイトニングが適しています
  • 両方のメリットを活かしたい方 → デュアルホワイトニングが理想的

歯科医師と相談しながら、自分のライフスタイルや希望に合わせて選ぶことが大切です。

📘 まとめ

ホワイトニング後の後戻りは、生活習慣や歯の構造によって自然に起こる現象です。
しかし、正しいケアと適切なホワイトニング方法を選ぶことで、白さを長く保つことは十分に可能です。

オフィスとホーム、それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことで、理想の白さを手に入れるだけでなく、維持することもできます。
歯科医院での定期的なチェックと、日常のセルフケアを組み合わせて、後戻りしにくい美しい歯を目指しましょう。

医療法人社団天白会有明ガーデン歯科クリニックは、

お口の中の些細なトラブルやお悩み事、検診など、お気軽にご相談できる歯科医院です。ホワイトニング相談も承っています。どんなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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このブログの監修者

医療法人社団天白会

有明ガーデン歯科クリニック

院長 歯学博士 石坂千春

理事長 歯学博士 山田健太郎 日本口腔インプラント学会 専門医