だれからも好感を得られる表情や笑顔を演出するのは美しい歯並び。健康にとっても重要な整った歯並びを実現するのが歯科矯正です。

患者様やお子様の将来と健康を考えるなら、なるべく早くに矯正を始めるのがオススメです。痛くない治療、目立たない器具など、患者様それぞれのニーズに合わせた快適な治療で歯並びを美しくするため、私たちは最適なご提案をいたします。

歯科矯正とは、不揃いの歯並びや噛み合わせを整える歯科治療です。一般的な矯正治療では、口の中に矯正装置を装着して少しずつ歯に力を加え、歯を理想的な位置へと動かしていきます。どんな矯正装置をどのように用いるかは、歯並びが乱れた原因や口の中の状態、患者様のご要望などによって変わります。

歯科矯正をするメリットは、とにかく口元がスッキリとし、美しい顔立ちや横顔を手に入れられることです。それによって得られる心からの自信が、やる気や才能を開花させることでしょう。

最近の研究では、正しい歯並びや噛み合わせによって、体を動かした際のパフォーマンスが上がり、体力やスポーツのスキルが向上すると言われています。腰痛や肩こりなど体の痛みを訴える人も、歯並びを正すことで痛みが和らぐとされます。アメリカでは、歯並びが良いかどうかで、就職や出世の道が大きく影響されるとされています。

歯並びの悪さは人に不快感を与え、仕事にも差し支えると考えられていて、歯並びは人間関係を築くうえで最も重要なことの一つとされています。

矯正治療のメリット・デメリット

メリット

  • 歯並びなど口元についてのコンプレックスが解消され、自信が持てるようになる
  • 表情が豊かになり、周囲に好印象を与えられる
  • 食べ物をしっかり噛める
  • 言葉の発音、発声が良くなる。
  • 歯磨きでの磨き残しが減り、虫歯や歯周病、口臭などの予防効果が高まる
  • 高齢になったとき、自分の歯を数多く残せる可能性が高まる
  • 顎の骨が発育する子どもの成長に良い影響を及ぼす

デメリット

  • 装置が目立つので、周囲の目が気になる
  • 装置が外れることがある
  • 矯正の期間中、食事が噛みにくい時期がある
  • 装置が邪魔になり歯磨きがしにくい
  • 装置の影響で話しづらくなる。
  • 装置の刺激で口内炎ができやすい。
  • 子どもの顎の発育に悪影響を与えることがある。

不正な歯並びと噛み合わせ

歯並びの乱れのことを不正咬合と呼びます。
不正咬合にもいくつか種類があり、原因も治療法も異なります。不正咬合の典型的な例を紹介しましょう。

  • 叢生(そうせい)

    歯の向きや大きさが不揃いでデコボコになった状態です。
    日本ではチャームポイントなどと言われる八重歯も叢生に含まれます。

  • 上顎前突

    文字通り、上顎が前に突き出た形です。
    いわゆる「出っ歯」と呼ばれる歯並びです。

  • 下顎前突(反対咬合)

    下顎が突き出した形です。
    「受け口」とも言われます。

  • 開咬

    上下の歯がうまく噛み合わず、前歯などにすき間が空いている状態です。
    指しゃぶりや舌で歯を押すような癖によって生じるとされます。

  • 過蓋咬合(かがいこうごう)

    歯と歯の間に隙間がある歯並びです。
    いわゆる「すきっ歯」と呼ばれる状態です。

  • 鋏状咬合(きょうじょうこうごう)

    下の奥歯が内側に向き、奥歯がうまく噛み合わない状態です。

  • 交叉咬合(こうさこうごう)

    鋏状咬合とは反対に上の奥歯が内側に入っている状態です。

こうした歯並びは、見た目が悪いだけでなく、食事も食べにくく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。
歯並びは、人生に大きな影響を与え、年齢を問わずとても重要です。
気になることや困っていることがあれば、ぜひ、早めに歯科クリニックにご相談ください。

小児矯正と成人矯正

小児矯正

歯科矯正は、乳歯が残っている子どもと大人で治療の方法が異なります。子どもの場合は、取り外しが可能な装置を用いて矯正を行います。

一般的に小学生以上の子どもが対象ですが、症例によっては未就学児から治療を始めることもあります。
治療の目的は、正しく骨格を成長させ、歯並びの悪化を招く悪い癖をなくすことで、永久歯が正しい位置・方向に生えてくるよう誘導することです。

早くから治療を始めると、将来、大人になってから矯正が必要になった場合も、歯を抜かずに矯正できるなど負担が軽くなる可能性があります。

子どもの正しい歯の成長を促すためにも、早期の治療が望ましいといえます。

成人矯正

すべての永久歯がそろう中学生以上になると、各種の矯正装置を歯に装着することで歯並びを整えていきます。

噛み合わせや口元の見栄えも考慮に入れ、患者様本人の希望に沿った形で精度の高い仕上がりを目指します。

矯正装置は、さまざまな種類があり、患者様の歯並びの状況やご要望、予算などを踏まえて決めていきます。矯正を始めるのに年齢の制限はありません。80歳を超えて矯正を始める方もいます。

歯科矯正は思い立ったが吉日。始めるのに早すぎることはありませんし、遅すぎることもありません。

私たちは、患者様一人ひとりにあった矯正治療で、みなさまの人生が実りあるものとなるようサポートさせていただきます。

大切な矯正治療後の保定

矯正治療によって歯並びが整ったら矯正装置を外すことになりますが、その後もケアをしないと、せっかく動かした歯が元の場所に戻ってしまいます。

これを「後戻り」といいます。

このため、後戻りしないように口の中に保定装置(リテーナー)を装着して、顎の骨が安定するまで歯が後戻りしないよう固定します。保定期間は一般的に1~2年です。

保定装置には、固定式と可撤式の2種類があります。固定式の装置は一度取り付けると、簡単に取り外しができません。このため、食べカスやプラークが溜まらないように丁寧に歯磨きをして、虫歯や歯周病を予防する必要があります。

可撤式の装置は簡単に取り外しができるため、食事や歯磨きも楽です。しかし長時間、外していると後戻りするリスクが高まります。

矯正治療 3つのこだわり

さまざまなニーズに対応

矯正治療に興味を持つ患者様は「できるだけ痛くない方法で」「装置が目立つと恥ずかしい」「治すのは歯並びの一部分だけでいい」などとさまざまざご要望をお持ちです。

私たちは、みなさまのニーズに合った治療法を提案するため、多くの矯正装置と多様な矯正方法を導入しています。

また、当院では一般的な矯正でも、目立ちにくい白いブラケットを使っているので、周囲の目をあまり気にせずにすみます。

できるだけ歯は抜かない

矯正治療によって歯並びが整ったら矯正装置を外すことになりますが、その後もケアをしないと、せっかく動かした歯が元の場所に戻ってしまいます。

これを「後戻り」といいます。このため、後戻りしないように口の中に保定装置(リテーナー)を装着して、顎の骨が安定するまで歯が後戻りしないよう固定します。保定期間は一般的に1~2年です。

保定装置には、固定式と可撤式の2種類があります。固定式の装置は一度取り付けると、簡単に取り外しができません。このため、食べカスやプラークが溜まらないように丁寧に歯磨きをして、虫歯や歯周病を予防する必要があります。

可撤式の装置は簡単に取り外しができるため、食事や歯磨きも楽です。しかし長時間、外していると後戻りするリスクが高まります。

小児矯正で健康で美しい歯並びと噛み合わせの土台づくり

歯科矯正は、骨が成長過程にある子どものうちから始めると、無理なく矯正を進められる可能性が高まります。このため、私たちは小児矯正に特に力を入れています。

また、歯並びや噛み合わせが良いと集中力や運動神経も高まり、子様の将来にも良い影響を及ぼすことも、多くの症例から実感しています。私たちは、矯正の方法として1期・2期の2段階に分けて治療するプランをすすめています。

1期の治療は、骨格が成長する子どものうちに矯正治療を始めることで、永久歯の歯が正しく生えるスペースを確保したり、顔貌(お顔立ち)に望ましくない影響を及ぼすかみ合わせを改善したりします。(例えば、出っ歯、受け口など)そうすることで抜歯せずに矯正できる可能性を高めたり、顔貌(お顔立ち)のバランスを改善するなどの利点があります。

2期の治療は、骨格の成長が終了し、永久歯が生え揃った中学生以降の方に矯正治療を行います。

不正咬合の程度によっては1期の治療で十分なこともあり、その場合は費用も抑えられます。

歯科矯正は、お子様にすてきな未来を用意してあげることにもつながります。当院では豊富な実績のある日本矯正歯科学会会員の矯正担当医が、患者様の未来のために真剣に寄り添います。

時間と費用

矯正治療に必要な通院回数は、症状によって異なりますが、一般的にはおよそ24〜36回ほどが目安です。
お子さまの矯正治療では、成長の様子を見ながら進めるため、どうしても治療期間が長くなる傾向があります。ただし、成長のスピードや歯の生え方には個人差があるため、期間は一人ひとり異なります。治療は、12歳頃に生えてくる最後の永久歯がしっかりと揃うまでを目標として、継続的にサポートしています。
初期の段階では、月に1回程度の通院が必要ですが、歯にスペースが確保できるようになると、2〜3か月に1回、または半年に1回程度の間隔での診察へと移行していきます。

一方で、大人の矯正は成長による変化がないため、抜歯によってできたスペースを利用し、比較的スムーズに歯を動かすことができます。そのため、お子さまに比べて治療期間は短くなる傾向がありますが、それでも平均して1年半〜2年半程度の期間が必要です。

種類 価格 税込価格
相談料 ¥0 ¥0(税込価格)
精密検査 ¥40,000 ¥44,000(税込価格)
診断料 ¥5,000 ¥5,500(税込価格)
調整料 ¥5,000 ¥5,500(税込価格)
小児矯正(1期治療) ¥450,000 ¥495,000(税込価格)
小児矯正(2期治療) ¥450,000 ¥495,000(税込価格)
成人矯正(ミックスブラケット) ¥900,000 ¥990,000(税込価格)
成人矯正(オールホワイト) ¥1,000,000 ¥1,100,000(税込価格)
保定装置 ¥40,000 ¥44,000(税込価格)

お子さまの矯正治療では、成長の段階や治療の進み具合に応じて、使用する矯正装置を新たに作製することがあります。ただし、そうした装置にかかる費用は最初の治療費に含まれており、リテーナー(保定装置)を除いて追加料金をいただくことはありませんので、ご安心ください。

また、顎の骨格に関わる問題で外科手術を併用した治療が必要なケースや、先天的に永久歯の数が少ないといった特別な症例では、大学病院で保険適用の治療が可能な場合もあります。そのような必要がある際は、専門の医療機関をご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。

なお、治療目的の歯科矯正は、確定申告の際に医療費控除の対象となります。詳しい内容については、当院の矯正担当医までお問い合わせください。ただし、実際にいくら還付されるかはご家庭の所得状況によって異なるため、具体的な金額はお伝えできかねます。
まずは一度診察を受けていただくことで、ご自身の歯や噛み合わせの状態を正確に知ることができます。歯並びや矯正に少しでも関心がある方は、お気軽に歯科医院にご相談されることをおすすめいたします。

矯正治療中の注意事項

食事に関しては、特に大きな制限はありません。お子さまの矯正治療では、基本的に取り外しができるタイプの装置を使用するため、学校での授業や運動、勉強、歯みがきなど、日常生活のさまざまな場面で装置を外していただいて問題ありません。これにより、生活リズムを大きく変えることなく、普段通りに過ごしていただけます。

もちろん、装置を装着した直後は、歯が押されるような圧迫感や違和感を覚えることがあります。これは、歯を動かしたり、骨の成長を促すために必要な力が加わるために生じるものですが、多くの場合は数日以内に自然と慣れていきますのでご安心ください。

また、矯正治療とむし歯・歯周病などの治療は別の分野になります。そのため、矯正治療を受けている期間中も、お口の健康を守るためには一般歯科での定期的な検診を受けていただくことがとても大切です。

矯正歯科医ではむし歯の治療は行っておりませんので、定期検診については一般歯科の先生で別途ご予約いただく必要があります。なお、一般歯科での定期検診は保険適用が可能ですので、費用面のご心配も少なく受診いただけます。

矯正治療に関するよくある質問

お子さんの歯並びやかみ合わせについて、ご心配になられる親御さんは少なくないと思います。
患者様からよくいただく質問を紹介いたしますので、ぜひご一読ください。

  • Q. 矯正はいつから始めるのがいいですか?

    A. これは多くの方からいただくご質問のひとつですが、成長期のお子さまの矯正に関しては、「〇歳になったら始める」といった明確な基準はありません。
    その理由は、歯並びの状態が体の成長と深く関係しているためです。お子さまの成長には個人差があり、早く成長する子もいれば、ゆっくり成長する子もいます。そのため、矯正を始める適切なタイミングも一人ひとり異なってきます。
    大切なのは、お口の中の現状を歯科の専門家に診てもらい、正確な診断を受けることです。もし「ちょっと気になるな」と感じていても、そのまま放置してしまうと、後に問題が大きくなることもあります。
    少しでも歯並びに不安や疑問がある場合は、早めのご相談をおすすめいたします。

  • Q. どのような矯正装置を使うのですか?

    A. 矯正と聞くと、金属のワイヤーを歯に装着するイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
    ですが、成長期のお子さまの場合には、取り外しができるタイプの特殊な装置を使用することがほとんどで、最初から金属製の装置をつけることはあまりありません。
    当院では、治療を受けられるお子さま一人ひとりの成長や歯の状態に合わせて、すべてオーダーメイドで装置を製作しています。そのため、使用する装置の種類や形状は、お子さまの状況によって多少異なる場合があります。

  • Q. 矯正治療を行う目的は何ですか?

    A. 成長期における矯正治療の主な目的は、永久歯が適切な位置に生えそろうように導くことです。
    また、顎の発達に応じてバランスのとれた成長を促すことも重要な役割となります。
    治療の進め方は、お子さまの成長の度合いや咬み合わせの状態によって、それぞれ異なる対応が求められます。

  • Q. 矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について知りたいです

    A. 「「矯正歯科治療に際して、一般的に想定されるリスクや副作用について、以下のような点が挙げられます。」
    • 矯正装置を装着した直後は、痛みや違和感を覚えることがありますが、通常は数日から1~2週間ほどで慣れてきます。
    • 歯の動き方には個人差があり、当初の治療計画よりも治療期間が延びる場合があります。
    • 装置の正しい使用、顎間ゴムの装着、定期的な通院など、患者さん自身のご協力が治療の進行や成果に大きく関わってきます。
    • 装置の影響で歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。そのため、日々の丁寧なブラッシングや歯科でのメンテナンスが欠かせません。なお、歯の移動によって隠れていた虫歯が見つかることもあります。
    • 歯を動かす過程で、歯の根が短くなる「歯根吸収」が起こることがあります。
    • 同様に、歯ぐきが痩せて下がる「歯肉退縮」が見られる場合もあります。
    • 非常にまれではありますが、歯が骨と癒着していて動かないケースも報告されています。
    • 装置を外す際、歯の表面(エナメル質)に微細なヒビが入ったり、被せ物(補綴物)が一部破損する可能性があります。
    • 矯正治療後は、リテーナー(保定装置)を指示通りに使わないと、歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」が起こりやすくなります。
    • 装置を外した後、現在のかみ合わせに合わせて被せ物や虫歯治療のやり直しが必要になることがあります。
    • 成長に伴って、かみ合わせや歯並びが変わる可能性があります。
    • 親知らずの萌出により、歯並びが乱れるケースもあります。
    • 加齢や歯周病によって歯を支える骨が減少し、かみ合わせや歯並びが変化することがあります。場合によっては再治療が必要になることもあります。
    • 一度矯正治療を開始すると、途中でやめても完全に元の歯並びには戻すことが難しくなります。

    ※日本矯正歯科学会「矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用」より改変・転載