口腔外科は口元周辺のけがや歯の外傷などに対応いたします。
交通事故やスポーツ中の事故などによって口腔周囲を負傷された方、歯根や歯茎などにトラブルを抱えている方、顎関節や噛み合わせに異常のある方は早めに口腔外科を受診しましょう。
当院には口腔外科の専門医が在籍し、他の病院との連携も万全です。
口腔外科 4つの特徴
経験豊富な口腔外科の先生が月に1度診察
一般的な歯科医院では対応できないような疾病にも口腔外科のスペシャリストが対応します。
当院には、経験豊富な口腔外科を専門とする歯科医師が月に1度診療しているため、一般の歯科医院では対応できないような外傷や病気にも対応ができます。
口腔がんや顎の骨折、顎変形症など、さまざまな口腔外科疾患からインプラント造骨、ぜひご相談ください。当院では対応が難しい症例でも、大学病院と連携しながら治療にあたりますので、ご安心ください。
大学病院との連携
糖尿病などの全身疾患のある患者様にも病気や身体に配慮した歯科治療を提案します。
当院は、東京歯科大学水道橋病院の「医療連携協力医療機関」、厚生労働省(関東信越厚生局)認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です。
全身疾患や慢性疾患のある患者様に対しては、大学病院などを密接に連携して全身管理を行いながら歯科治療を行いますので、安心して治療をうけてください。
提携先
- 昭和大学豊洲病院
- 東京医科歯科大学
- 東京歯科大学
- 日本歯科大学
- 日本大学歯学部
口腔がん検診にも対応
高度な口腔がん検診を行い、口腔がんや前癌病変の早期発見に努めます。
腫脹や腫瘍などが口の中にできた場合は、口腔がんや前癌病変の可能性があります。当院では、口腔がん検診を行っていますので、定期的な受診をおすすめします。
口腔がん検診では、口腔内をすみずみまでチェックしますので、自覚していない病変などを早期に発見することもできます。
がんや前癌病変を早期発見・早期治療が基本。早く発見できれば、治る可能性も高まります。ぜひ、ご検討ください。
親知らずを適切に処置
歯科治療の豊富な経験と知識を生かして、親知らずの治療に取り組んでいます。
親知らずは、永久歯が生えそろってから遅れて生えてくる歯なので、斜めに生えてきたり、埋れたまま生えてこないなど、トラブルの多い歯です。
生え方によっては隣の歯や歯並び全体に悪影響を及ぼしたり、虫歯や歯周病の原因になったりすることがあります。また、親知らずそのものによって腫れや痛みが引き起こされることもあります。
親知らずの処置
- 1詳しい検査と診察
レントゲンでパノラマ写真を撮影し、大まかな歯の状態を確認します。場合によっては、歯科用CTを使った撮影も行います。親知らずの根元付近には大きな血管や神経が走っているため、歯の生えている角度や血管などとの位置を調べることは重要です。その後、患者様から話を聞き、口の中を見て、親知らずと周辺の歯肉の状態をチェックします。
- 2丁寧な説明
検査や診察の結果をもとに、抜歯すべきか経過を観察すべきかを判断します。診断結果とその理由については、歯科医師から丁寧に説明いたします。不明な点や心配事がございましたら、遠慮なくお尋ねください。抜歯をする場合は、治療の手順や処置内容、処置に必要な時間、術後に想定される症状などを説明いたします。また、基礎疾患や薬剤のアレルギーなどもチェックし、疾患との関係で入院や特別な処置が必要な場合は、大学病院を紹介いたします。
- 3体調の確認
抜歯の当日は、処置の前に改めて体調の確認を行います。
- 4痛みの少ない麻酔
抜歯を行う際は痛みが出ないよう麻酔を行います。麻酔自体の痛みを心配される方もいらっしゃいますが、当院では麻酔自体も痛くないよう工夫いたしますのでご安心ください。
- 5患者様の負担に配慮した抜歯
抜歯は、症例にもよりますが、早ければ1分程度で終わります。難しいケースでも30分以内に終わります。時間がかかるケースでも患者様の負担ができるだけ軽くなるよう努めています。抜歯が済んだら、出血が止まっているかどうか確認して、処置は終了です。
- 6予後の確認
処置後は、1週間後に抜糸をします、特異な症例やリスクが高い症例の場合は、もう少し日数をかけて消毒や経過観察をさせていただくこともあります。
抜歯後はどうしても腫れや痛みがでます。個人差はありますが、1週間程度で治まるでしょう。
抜歯した場所に食べ物が詰まりやすかったり、手前の歯が知覚過敏になったりすることもあります。少し時間がかかりますが、約2カ月で歯肉が治り、4カ月ほどで骨が治りますので、こうした経過とともに症状は解消されていきます。
治療内容の概略
親知らずの一般的な治療の流れを紹介いたします。しかし、親知らずの状況は患者様一人ひとり異なり、それによって治療の方法が変わることもありますので、ご了承ください。
- 親知らずのある歯茎と隣接する歯(第二大臼歯)の歯茎に麻酔をうちます
- 口の中全体を確認し、疾患などがないか確認します
- 歯茎を切り開き、親知らずと骨が見えるようにします
- 歯冠と歯根をタービンで分割し、歯冠の部分を取り出します
- 歯根の形によっては歯根も分割して抜きます
- 抜歯した場所につまった汚れを掻き出します
- 切開した個所を縫い合わせます
- 最後に出血を止めるため、10分程度ガーゼを噛んでいただきます
口腔外科とは
口腔外科では、外科的処置を行います。対象は交通事故やスポーツ中の事故などによる口の中などの外傷、切除などが必要な歯根・歯茎・粘膜の疾患、顎関節や噛み合わせの異常などです。
口腔外科の対象となる症例を詳しく紹介しましょう。
嚢胞
主に虫歯が神経にまで達して起こる「根尖病巣」によって、「うみの袋」ができる病気です。放置していると、骨の中で拡大して骨を吸収してしまいます。自覚症状は少なく、歯肉が腫れて歯肉に小さな「つぶ」のようなものができることもあります。
歯を介してできるものは主に細菌感染ですが、その他の部位では、体内の代謝物質や汚れ、腺組織の一部が膨らんでできるケースもあります。多くの場合、健康に害はありませんが、しだいに大きくなっていくため、早く摘出した方がいいでしょう。
炎症/腫脹
口腔内の細菌が顎の骨の中に入って化膿した状態です。放置すると慢性化するため、早めのな対処が必要です。重度の歯肉炎や上顎洞炎、根尖病巣などがあると。それらを悪化させて、膿瘍、蜂窩織炎になることもあります。
処置は、口腔内を清潔にし病巣を摘出します。
粘液嚢胞
粘液嚢胞とは、唇の組織内にできる水ぶくれです。唇の表面に5~15mm程度のプクッとした隆起物が現れますが、水ぶくれの中身は唾液なのであまり心配する必要はありません。
唇を噛んだり傷つけたりして「口唇腺」という唾液腺を損傷してしまい、唾液をうまく分泌できなくなるのが原因で起こります。
放置していても自然に治癒することはあまりないので、一般的には、局所麻酔をして嚢胞とともに口唇腺を摘出して治します。
エプーリス
エプーリスは歯茎にできる良性の腫瘍のことで「歯肉腫」とも言われます。
被せ物や詰め物がうまく歯に適合せず、歯茎に物理的な刺激が加わることでできるほか、歯周病で歯茎に炎症があるときも現れます。また、妊婦さんにだけ「妊娠性エプーリス」という症状もあり、女性ホルモンのバランスが関係している可能性もあります。局所麻酔をしてエプーリスを切除することが多いです。
難抜歯
特異な症例の抜歯は口腔外科で対応します。
たとえば、歯周病が重症化して歯が根元から弱ってしまった場合や、虫歯が重症化して歯根まで汚染されてしまった場合、けがなどで歯が根元から折れてしまった場合などです。また、親知らずや過剰歯が隣の歯やは全体のバランスに悪影響を及ぼしている場合は、健康な歯でも抜歯することがあります。矯正治療で歯を動かすスペースをつくるときにも、抜歯が検討されます。
自家歯牙移植
保存できない歯を抜歯した際、歯並びなどが乱れないよう、抜歯したところに他の場所の歯を移植することがあります。
顎関節症(アゴが痛い、口があかない)
顎や筋肉の痛みや口を開け閉めしたときの音、顎が外れるといった症状がある場合、顎関節症の可能性があります。
歯ぎしりや食いしばり、片方の歯ばかり使って食べ物を噛むといった癖があると顎関節症になることが多く、さらに悪化しやすいとも言われます。普通はマウスピースを装着したり、歯の被せ物を調整したりして様子を見ますが、重症の場合は外科手術を行うケースもあります。原因には、さまざまな要因があり、複数の要因が重なり合って発症すると言われます。治療では、対処療法を行いながら原因を少しずつ取り除ていき、発症を抑えていきます。
当院では、顎の動きに合わせて症状を和らげる特殊なマウスピースの作成も行っています。
親知らず
親知らずは、必ず抜くものと思っている方も多いですが、真っ直ぐに生えていて清潔を保つことができ、正常な咀しゃくの妨げにならないのであれば、必ずしも抜く必要はありません。
しかし、生え方が悪く、虫歯・歯周病の原因になる可能性がある場合や、痛みや腫れの原因になる場合は、抜歯をおすすめします。過去に一度でも腫れや痛みが出た場合は、再びトラブルの要因となるリスクが高いため、親知らずを抜いておいたほうが安心です。親知らずの生え方が悪いと、歯並び全体はもちろん、全身の健康状態にも悪影響を及ぼします。親知らずが生えてきたら、歯科クリニックで診察を受けましょう。
粘膜病変
口腔粘膜の変色やできもの、水疱や口内炎、粘膜のただれといった症状を粘膜病変と言います。粘膜に、白や赤、黒の斑点ができた場合は、悪性化したり口腔がんに発展したりする可能性があるため、念のため、歯科クリニックを受診し、しっかり治療しましょう。
腫瘍(悪性・良性)
口の中にもがんができます。特に、歯に合わない詰め物や被せ物、入れ歯などを使っていていると、歯茎や口の粘膜が慢性的に刺激を受け続け、口腔がんが発症することがあります。口腔がんは手遅れになると命に関わりますので、異変に気付いたら必ず口腔外科を受診してください。
がんは他の臓器や部位への転移も心配です。4カ月から半年ごとに定期検診は受けて経過を確認してください。
歯根破折
歯の根の部分(歯根)が折れてしまうと、自然に治ることはありません。歯根にヒビが入ったり折れたりすると細菌に感染しやすくなり、周囲の組織が化膿してしまうこともあります。症状にもよりますが、歯根にヒビが入ったり折れたりすると、抜歯して顎の骨のダメージを最小限にする処置が必要になるます。
唾液腺疾患
口の中には唾液を出す組織(唾液腺)がありますが、その唾液腺にもさまざまな疾患があります。主なものとしては、唾石症、唾液腺炎、唾液腺腫瘍、腺委縮、自己免疫疾患などです。唾石症は唾液腺に石が詰まり、唾液が出にくくなる病気です。
こうした唾液腺の疾患は口の中の環境に大きな影響を及ぼします。主な症状としては口の中が乾く口腔乾燥症があり、虫歯や口臭の原因になります。口の中に腫れや膨らみといった違和感、石のような異物感を覚えたら早めに受診しましょう。
インプラント骨造成
インプラントでは顎の骨にネジのようなものを埋め込み、そこに義歯をはめ込みますが、治療を行うには一定以上の骨の厚みが必要です。
このため、顎の骨の厚みが足りない場合は、人工骨を埋めたりブロック骨を移植したりして骨を造成する必要があります。
このような処置も口腔外科の対象です。
外傷(骨折/裂傷)
交通事故やスポーツなどで顔や口元にけがを負うと、けがが治っても、噛み合わせがズレてしまうことがあります。噛み合わせが不適切だと、食べ物がしっかり食べられないだけでなく、気分的に落ち込むなどの症状も現れます。口元周辺に大きな外傷を負ったときは、脳外科・整形外科だけでなく、口腔外科でも検査を受けましょう。
口内炎
口内炎が口の中にできるとひどく痛みます。口内炎はストレスや食生活の乱れ、口の中の傷、不衛生な口内環境などさまざま要因で生じます。ビタミン剤を飲んだり軟膏を塗ったりして痛みを和らげ、治癒を早めます。
なかなか治らない口内炎は口腔がんの可能性がありますので、口内炎が長引いている方は、一度、口腔がん検診を受けてみましょう。
骨腫/骨隆起
骨腫/骨隆起とは、良性の腫瘍がある個所に慢性的に力が加わることで、骨組織が刺激され、増殖した状態です。病気ではないので、すぐに治療を行う必要はありません。
しかし、入れ歯が強く当たったり、口内炎ができやすかったりすることや、発音しにくくなって日常生活に支障がでることもあります。そうした場合は骨の切除が必要になります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方によくできます。
歯性上顎洞炎(副鼻腔炎/蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻腔の横にある大きな空洞「副鼻腔」と呼ばれる場所に炎症が起きた状態を指します。また、上顎洞という個所の炎症を上顎洞炎と言い、上顎洞炎が慢性化したものを「慢性副鼻腔炎」や「蓄膿症」と言います。
副鼻腔炎や蓄膿症は耳鼻科の病気だと思われるかもしれませんが、根尖病巣や歯茎の炎症が原因となっていることもあります。
耳鼻科で副鼻腔炎や蓄膿症の治療を受けてもなかなか治らない場合は、口腔外科も受診してみましょう。
神経痛・神経マヒ
神経マヒは、外傷や手術後の後遺症、ウイルス感染、ストレスなど数多くの原因によって引き起こされます。神経痛は、原因が分かる場合は原因を取り除くための治療を、原因が分からない場合は症状を和らげる治療をしていきます。
口元を中心とした神経マヒは口腔外科で対応します。気になる方は一度受診しましょう。
唇顎口蓋裂
唇顎口蓋裂は、生まれつき、口や唇に裂け目がのようなものができる症状です。500人に1人程度に確率で発生すると言われます。
胎児段階で、口や鼻の形成に不具合が生じたの原因だと見られています。
顎変形症
顎変形症とは、正常な状態に比べて顎が前に出ていたり、後ろに下がっていたりする症状のことです。これも生まれつきで、歯並びや噛み合わせが悪くなるため、ほとんどの場合、矯正治療を行います。条件が適合すれば、保険治療の対象になることもあります。