インビザラインとは、マウスピースを使った矯正方法です。
インビザラインに興味のある方に、事前に知っておいていただきたい7つの点をご説明します

インビザラインとは?

インビザラインはアメリカで1998年に開発されました。マウスピース型矯正装置を使って矯正矯正治療を行います。日本では2006年に導入されました。
私たちは、日本に導入された直後にインビザライン矯正治療を始めました。

歴史が長く症例も豊富なマウスピース矯正

マウスピースを使った矯正システムには日本製のシステムもありますし、アメリカ製でもいくつもの種類があります。
その数々のシステムの中で、当院が採用しているのがインビザラインシステムです。
マウスピースを使った矯正の中で歴史が長く、症例数も豊富です。実績の面や治療の適用範囲の広さから、私たちはインビザラインを選びました。


2週に1回マウスピースを交換

治療では、2週間ごとにご自身で新しいマウスピースに交換していただきます。それによって、少しづつ歯が理想的な位置に移動していきます。


目立たず、清潔、快適

インビザラインには様々なメリットがあります。主な点は次の3点です。
・治療中も矯正装置(マウスピース)が目立たない
・食事や歯ブラシの際に矯正装置(マウスピース)を外せる
矯正装置が外れたり金具が刺さったりしない
一般的に行われるワイヤー矯正とは異なるメリットがあります


世界で500万人の治療実績

インビザラインはアメリカ、ヨーロッパ、アジア、太平洋地域の世界各地で行われている矯正治療です。
2018年1月現在、世界中で500万人以上の方がインビザラインシステムで矯正治療を行っています。(2018年1月現在)


マウスピースで包むように

歯は歯根膜という繊維組織で支えられ、骨に定着しています。そこに、弱い力が持続的にかかると、歯はゆっくりと移動します。
従来のワイヤー装置の違いは、ワイヤーだと歯の表側か裏側の1点から歯に力が加わるのに対し、マウスピースだと歯を全体で包み込むようにして優しく力が加わります。

適応症例は限られる?

当院では、豊富なインビザライン矯正の実績があります。
他院で「インビザラインでは矯正できない」「抜歯が必要で、インビザラインだけではできない」などと言われた方も、当院ではインビザライン矯正で治療できるかもしれません。

マウスピースで矯正できるのは、「簡単な歯の移動だけ」と考える方もいらっしゃいますが、そうではありません。確かな技術を持つインビザラインドクターがいれば、幅広い治療に対応できます。

動きが遅く、期間がかかる?

「マウスピース矯正は時間がかかる」と言われることもありますが、そんなことはありません。症例によっては早くなることもあります。

インビザライン矯正治療では、歯の動きをコンピューターがシミュレーションし、目標となる歯の位置まで最短距離で歯を動かすので、無駄な動きがありません。

そのため、トータルの治療期間はワイヤー装置などとほとんど変わりませんし、早く終わるケースもあります。マウスピース1枚で動かすことのできる歯の移動量は0.25mm。単純に4枚使って1mm動かす計算になります。

コンピューターによる矯正移動シミュレーションは、これまでインビザライン治療を受けた全世界410万人以上の臨床データをもとに、一人一人に合った治療計画を作ることができます。そのデータは現在も増え続けていて、より精密なシミュレーションができるようになっています。いかに効率的に、患者様の負担が減らしながら矯正治療ができるのかと、インビザラインシステムは日々進化し続けているのです。

歯の状態は一人一異なりますので、治療期間は歯並びの状態や、治療プランによって変わります。矯正相談では、写真を示しながらご説明させていただき、おおよその治療期間についてもお伝えいたします。

ワイヤー矯正より痛くない?

ワイヤー装置を使った矯正治療に比べて、痛みはかなり抑えられます。
通常の歯科矯正では歯型を取る際、粘土の様な材料(印象材)を使いますが、インビザラインではスキャニング(光学印象)をしてデジタルデータとして歯形を記憶します。

細部再現性、精度、快適さ、スピードと、どれをとっても次世代の矯正治療といえます。

痛くない理由

ワイヤーなどの金属部分がない

ワイヤー矯正の場合は、装置からワイヤーが飛び出して頬の内側に刺さることがあります。また、舌の癖などによっては、装置と舌がこすれ、舌が切れることがあります。その点、マウスピースであれば、けがをする心配がありません。


最適な力が歯に加わる

歯と骨の間に存在する隙間は、解剖学的に0.25mmだとされます。その0.25mmの中に歯根膜という繊維があります。
1枚のマウスピースで移動させる歯の距離が0.25㎜になるようコンピュータで計算されています。つまり歯の隙間分のみ移動するよう、最適で優しい力が計測されているのです。


マウスピースが歯を守る

矯正治療で、歯が動いてくると歯と歯がぶつかり痛みを感じます。
また、ワイヤー装置ですと、常に上の歯と下の歯が接触していますので、それだけで痛みを感じます。

矯正治療経験のある方ならわかると思いますが、矯正を始めたころは、こうした痛みに慣れず、半開きにしていると楽になります。その点、インビザライン矯正ならマウスピースが歯を守ってくれるので、上と下の歯が直接接触することはありません。


どのクリニックでもインビザラインができる?

インビザラインは従来のワイヤー装置による矯正とは全く違う知識と技術が必要です。
しかも、歯科大学では教えてもらえませんし、大学卒業後のインビザライン研修も日本では行われていません。

ですから、どこの歯科クリニックに行っても、同じ治療が受けられるわけではないのです。インビザラインはコンピュータを用いた新しい矯正治療方法です。インビザラインならではの治療経験と知識がとても重要となります。

インビザラインiGO

アラインテクノロジー社が提供するマウスピース矯正のライセンス(免許)には、従来の全体矯正用の「インビザライン」と、2018年に正式リリースされた前歯部分矯正用の「iGo」があり、当院ではiGoドクターライセンスを取得しています。

「iGO」はコストと期間短縮を重視した前歯だけの目立たないマウスピース審美矯正です。これによって軽微な矯正であれば、より短い期間で早く安く治療できるようになりました。

前歯だけの部分矯正治療

iGoの最大の特徴は、気軽に行える費用の安さと治療中の目立ちにくさです。
対象は前歯だけですが、28本の歯のうち、上下左右前方の20本を動かしますので、条件が合えば、しっかり歯並びを整えることができます。

装置は全然目立たないうえに、取り外しもできるので、ブラッシングも丁寧にできます。ホワイトニングを併用することもできるので、歯並びを整えながら、歯も白くしていくことができます。


デジタル技術を駆使

デジタル技術をフルに生かした治療法ですから、治療を始める前に、シミュレーションした仕上がりをモニターで確認できます。
必要があれば仕上がりを変更することも可能です。

始める前に、目標の歯並びを確認できると、大きなモチベーションになるはずです。ご希望の方には、メールで仕上がりのデータをお送りすることも可能です。


最新機器でより精密な治療

矯正治療は、ただ矯正装置を装着すればよいというものではありません。
人は一人ひとり異なった骨格をしていますので、骨格の特徴に合わせた精密な治療を行わなければなりません。このため、当院では次のような2つの機器を導入しています。

1つはセファロという頭部X線規格写真の撮影機です。矯正歯科用の特別なレントゲン機器で、頭部の骨格を調べることができます。これによって、かなり精密な検査が可能になります。また、事前に撮影を行っておけば、万が一、突発的な異常が起きた際、原因を素早く特定し、的確な処置することが可能になります。

2つの機器は「iTero Element(アイテロ エレメント)」です。こちらは口の型取りに使用する機械で、従来の方法より迅速に型を取ることができます。

通常の型取りは、口の中へシリコン素材を入れて、そのまま数分待つ必要がありました。しかし、iTero Elementを使うと、口の中を専用のカメラでスキャンするだけで型取りができ、数分で精密な歯型を3Dデータ化できるのです。シリコン素材が苦手な患者様もいらっしゃいますが、この機器を使えば苦しい思いもしなくてすみます。

このような新しい機器を備え、患者様が少しでも治療を受けやすいよう努めています。

できるだけ抜歯はしない

矯正治療では、歯を抜くかどうかは大きな問題です。
抜歯をする目的は、歯並びを整えるためのスペースを確保することです。しかし、健康な歯を抜いてしまうと、かえって噛み合わせが悪くなったり、噛む力が弱まってしまったりすることがあります。

私たちは、こうしたデメリットを重視して、できるだけ健康な歯を抜かないことを基本的な方針にしています。このため、歯を口の奥へ移動させたり、問題が起きない範囲で歯の表面を削ったりといった工夫をし、歯を動かすスペースを確保します。

患者様の中にも「矯正はしたいけれど、歯は抜きたくない」と考える方がいらっしゃいます。そうした方にもご安心いただけるよう、できる限り歯を抜かずに治療いたします。

私たちが目指す目標は「8020」。80歳になっても自分の歯が20本残っている状態の実現です。患者さまにこの目標を達成していただくため、健康な歯を維持できるよう全力でサポートいたします。