噛み合わせが悪いと食べ物が食べにくかったり、歯並びが悪くなったりしますが、そうした口や歯の問題だけではなく、体全体の健康にも影響を及ぼすことが最近の研究でわかってきました。
噛み合わせを整えることは、口の中の健康を守ることはもちろん、健康的な人生を送るのにも欠かせない大切なことなのです。
噛み合わせの悪さで生じる問題
噛み合わせが悪いと、一部の歯にばかり負担がかかるようになり、負担の大きな歯は虫歯や歯周病になる確率が高まります。
また口の中だけでなく、歯を支える顎にも影響し、頭痛や肩こりの原因となることもあります。
噛み合わせによる口の問題
- 一部の歯がすり減る
- 歯が動き歯並びが悪くなる
- 虫歯になりやすい
- 歯周病になりやすい
- 歯が欠けやすくなる
- 顎関節症の原因となる
噛み合わせによる全身の問題
- 肩凝りなど筋肉の凝り
- 頭痛
- 坐骨神経痛
- 腰痛
- しびれ
- 視力の低下
噛み合わせは全身の健康に影響
噛み合わせが悪いと、歯並びが悪くなり、そのことで顔まで歪んでしまうことがあります。このことをご存じの方は多いのですが、噛み合わせの影響や顔だけでなく全身に及びます。
虫歯や歯周病もそうですが、噛み合わせも治療せずに自然に治ることはなく、放置しているとしだいに悪化します。
「これくらい大丈夫だろう」と思っていると、いずれは取り返しのつかないことになってしまうのです。なんとなく自覚症状がある方もいらっしゃるでしょうが、自覚症状が現れるのはかなり悪化している証拠です。できるだけ、早く歯科クリニックを受診しましょう。また、治療を受けた後も、メンテナンスを怠らず再発を予防することが大切です。
知識と経験が必要な噛み合わせ治療
噛み合わせが悪いまま放置していると、特定の歯に負担がかかりやすくなり、歯の寿命が縮まります。これは、インプラントなどの義歯でも同じです。
歯は基本的に上下合わせて28本ありますが、それぞれ、大切な役割があります。大きな荷物を持つときなど、力を出すために歯を食いしばりますが、そうやって思いっきり歯を噛むことができるのも、一本一本の歯がしっかりと機能しているからなのです。
人が噛む力は体重の5倍にもなると言われています。そんな力に歯は耐えているのです。
噛み合わせがよければ、その力を歯全体で分散して受け止めることができますが、噛み合わせが悪いと、特定の歯ばかりに力がかかることになります。
また、噛み合わせを十分に配慮しない虫歯治療や審美治療などが噛み合わせを悪くしてしまうこともあります。
噛み合わせは歯科治療の基礎です。私たちは、常に噛み合わせを念頭に置いて治療にあたっています。
1本でも歯がなくなると噛み合わせに悪影響が
歯は全体でバランスを保っているので、1本でも歯がなくなってしまうと、自然にその隙間を埋めようという力がかかります。そうすると、失われた歯の周囲の歯の角度が変わってしまい、一週間程度で歯並びにも影響が出てきます。
そうして、噛み合わせのバランスが悪くなると、特定の歯に負担がかかるようになり、さらに歯が1本失われるという具合に、悪循環に陥ります。
噛み合わせ治療が必要な人は99.9%
生まれながら、噛み合わせが完璧だという方はほとんどいません。生まれつき噛み合わせが完璧な人は0.1%程度だと言われており、むしろ、どこかしら噛み合わせに異常があるほうが普通なのです。つまり、ほとんどの人は、歯科クリニックで噛み合わせを整える必要があるということです。
歯科クリニックの役割は噛み合わせを改善することだとも言えます。歯科医師はただ虫歯や歯周病を治療するだけではなく、噛み合わせの状態を把握し、歯並びを矯正して噛み合わせの改善を図ります。もし、すでに歯が抜けている場合はインプラントや入れ歯などを使い、正しい噛み合わせにすることで残りの歯を守ります。
噛み合わせの定期的なチェックを
風邪やがんといった病気の対策は、「治療よりも予防」とよく言いますが、虫歯や歯周病も同じです。むしろ、その傾向が強いともいえるでしょう。
歯は皮膚のように再生しません。削ったり抜いたりしてしまうと二度と元には戻りません。再生治療の研究も進んでいますが、今のところ、自分の歯を使い続けるには、虫歯や歯周病を予防するしかありません。
虫歯や歯周病の予防というと、歯磨きや歯科クリニックでの歯のクリーニングを思い浮かべる方が多いと思いますが、噛み合わせのチェックも忘れてはなりません。噛み合わせも正しく保つことで、虫歯や歯周病を防ぐことができるのです。
しかし、残念ながら、予防歯科として噛み合わせの定期的なチェックまで行っている歯科クリニックはまだまだ少ないと言わざるを得ません。
噛み合わせは歳を重ねるにつれて、歯の移動や摩耗などによって変化していきます。
微妙な噛み合わせのずれが新しい問題を引き起こす場合もあります。それだけに、定期的なチェックが欠かせないのです。
そういった微妙な噛み合わせを判断するには、歯科医師としての豊富な経験と知識が必要です。
早く始めたい噛み合わせ治療
よい噛み合わせかどうかを判断するには、顎関節から前歯まで細かなポイントがあり、それらの知識に精通している必要があります。そうした理論に基づけた治療が、噛み合わせの改善には必要とされるのです。
当院では世界基準の噛み合わせ理論に基づいた患者様一人一人に合った診療でよりよい噛み合わせを目指します。